マイホームの新築は、多くの人にとっては、二度三度と繰り返せない、
失敗のできない大きな買い物です。
ですから、建築依頼先を決めることは、とても重要です。
マイホームを購入する際は、主に3つの購入先が考えられます。
・地元に根ざした工務店
・設計事務所の建築家
・ハウスメーカー(住宅メーカー)
これから、マイホームを新築、購入される人向けに役立つ情報を発信していきます。
【ハウスメーカーに依頼する良い点】
●展示場やパンフレットなどを通じて、これから建てる家がイメージしやすい。
●豊富な実績を持ち、建築・設計・デザインから、仮住まいの手配まで、あらゆることに迅速に対応してもらえる。
●耐震構造などの独自技術や新素材、省エネシステムなど、そのハウスメーカーならではの技術の反映した家が建てられる。
●契約から設計・施工、引渡し後のアフターサービスまで一手に引き受けるため、不具合やトラブルがあった場合、窓口が一つでクレームをつけやすい。
●引渡し後何年にも渡ってサポートし続けて貰える会社であるかどうか、経営状況がわかりやすい。
【ハウスメーカーに依頼する注意点】
●地方工務店などに比べると値段は割高になりがちで、契約後に設計変更していくスタイルがほとんどのため、最終的な金額は最初の見積よりもかなり高額になる傾向があります。
●自由設計と言いながら、構造に制限があったり、提携している業者があるために、インテリアなどの選択肢が少ない場合が多いです。
●設計と施工に下請け業者を使う場合が大多数で、業者によって仕上がりにばらつきが出る場合があります。トラブル防止のためにも、施工の様子はできるだけ見ていた方が良さそうです。
ハウスメーカーによって、得意とする分野がいろいろあります。
特に工法に関しては、木造しか扱わないメーカー、鉄骨を得意とするメーカーなどさまざまです。
以下に、ハウスメーカーの代表的な工法の違いを簡単に比較できるよう説明します。
木造
■木造軸組工法
在来工法とも呼ばれる工法で、柱や梁で家を支える構造。
間取りの自由度が高く窓などの開口部が多くとれるが、工期が長くなる傾向がある。
仕上は施工業者の技術の差に左右されやすい。
■2×4(ツーバイフォー)工法(木造枠組壁工法)
フレーム状に組まれた木材に構造用合板を打ち付けた壁や床(面材)で家を支える構造。
建物を6つの面で強固に支える箱型の家。
高気密高断熱・高耐震耐火性が期待できるが、構造上増改築しにくい。
■木質パネル工法
2×4同様、家を面(パネル)で支える工法。2×4は接合に釘を使うのに対し、接着剤を使
う。
パネルそのものにあらかじめ断熱材などを入れ工場生産、さらに工場でほとんどを組
み上げてしまうユニット工法である場合も多く、一般的な2×4より品質が安定し、工期も短
い傾向がある。
2×4は建築基準法に仕様規定が定められた一般の工法ですが、木質パネル工法は各社
ごとに多少の差があります。
鉄骨
■重量鉄骨ラーメン工法
鉄骨には在来工法のように鉄骨を組むブレース工法がありますが、現在は、補強のため
の筋交を使わず、あらかじめ剛接合した枠組みを使用する重量鉄骨ラーメン工法が主流
です。
鋼材の厚みが6ミリ以上のものを「重量鉄骨造」、6ミリ未満のものを「軽量鉄骨造」といいま
すが、一般の注文住宅は軽量鉄骨が主流で、その場合はブレース工法をとることもありま
す。
また、3階建て以上の建物には重量鉄骨ラーメン工法が多く採用されています。
鉄骨は木と違い材質が均一で、施工技術に左右されにくく、自由な間取りや開口部が多く
取れるという特性がありますが、木造に比べると家全体が重くなるので、場合によっては
土地改良が必要になることがあります。
一般に、鉄骨の方が耐震・防火性に優れ強度も高い、シロアリ被害がない、しかし熱に弱
く、錆やすい、などと言われていますが、現在はさまざまな技術や素材が開発されており、
木造も鉄骨もさほどの性能差はないと言われています。
■その他:ユニット工法について
ユニット工法とは、住宅をいくつかのユニットに分け、工場で製造、現場で組み立てるとい
う工法です。
木造・鉄骨どちらでもユニット工法があります。
ユニットが工場で生産されるため、施工技術に左右されにくく高品質で短工期で済むもの
の、設計の自由度が低く、また、道路事情により建設できない場合もあります。
ハウスメーカーを決める際に、それぞれの商品はもちろんですが、営業マンが決め手になる場合も多くあります。
同じメーカーでも、営業マンに対しては良い評判も悪い評判もあるのが一般的で、営業マンも千差万別です。
営業マンは、自分の夢の家を実現させるためのパートナーです。
とことんまで話し合える相性の良い人と出会いたいものです。
契約する前に、複数の展示場に行ってみたり、見積を競合させてみたりすると、営業マンの本質がよくわかるようです。
あらかじめ希望のハウスメーカーがあったとしても、営業マンを見極めるためにも、実際に契約する前に、他のハウスメーカーと比較してみることが有効です。
ハウスメーカーには、注文住宅以外にもさまざまな商品があります。
将来のリフォームや買取、土地活用までも見据えてハウスメーカーを選ぶこともできます。
坪単価とは、1坪(約3.3平方メートル)当たりの建築費のことで、建物の本体価格を延べ床面積(坪)で割った数値のことです。
一般的に、各ハウスメーカーにかかる建築費用の大小を比較する目安とされている数値です。
しかし、ハウスメーカーが坪単価を提示する場合、「延べ床面積」ではなく、ベランダや玄関ポーチなども含む「施工床面積」を使用したり、 「本体価格」を「建物そのものだけの工事費」とする場合と、「アンテナ工事費や照明カーテンなどの設備費も含む」とする場合など、メーカーによって基準が違う場合があるので、詳しい確認が必要です。
また、坪単価は、住宅の仕様(建築材料のグレード)によっても大きく変化しますし、住宅が大きくなるほど坪単価は下がるので、坪単価が安いから建築費が安いという結論にもつながりません。
同じハウスメーカーであっても家ごとに価格は変わるので、おおよそ坪単価はこのくらい、と思っても、必ずその金額帯になるわけでもありません。
坪単価はあくまで参考に留めましょう。
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